イベントの企画を任された方へ。

社内イベント、周年記念、懇親会。
イベントの企画を任されたものの、
何から手をつければいいか分からないまま止まっていませんか。

イベント企画の手順を調べると、だいたい同じことが書いてあります。
目的を決めて、ターゲットを決めて、内容を考えて、会場を押さえて、告知する。
間違ってはいません。
ただ、その手順どおりに進めても、当日うまくいくとは限らないのです。

イベントの満足度を決めるのは、コンテンツの豪華さではありません。
参加率と、時間の余白です。

この記事では、企画の型を押さえたうえで、
当日ちゃんと回るかどうかを判断する視点をまとめました。

イベント企画の考え方、3つの結論

  1. 満足度に最も効くのは参加率。人が集まらない会は、何をやっても盛り上がらない
  2. コンテンツは詰めない。食事、離席、写真の時間を設計に入れると、入る企画は思ったより少ない
  3. 当日の運営は「臨機応変」ではなく、事前に決めておく。受付動線、進行表、遅刻対応、連絡手段の4つ

イベント企画で最初に決める3つのこと

イベントの目的とターゲットをホワイトボードで整理する様子

イベントの企画を始める前に決めることは3つです。
目的、参加者の状態、成功の測り方。
ここは多くの記事が書いているとおりなので、手短にまとめます。

この会は何のために開くのか

イベントの目的は1つに絞ってください。
複数あると、企画が散らかります。

社内イベントでよくある目的は3つです。
部署をまたいだ交流をつくる。
方針を共有して同じ方向を向く。
成果を認めて労う。

この3つは同時に達成しにくいものです。
交流が目的なら歓談の時間を長く取る必要があり、
方針共有が目的ならプレゼンの時間が要ります。
どちらも入れると、どちらも中途半端になります。

誰に、どんな状態になってほしいのか

ターゲットを決めるときは、属性だけで止めないでください。
終わったあとの状態まで言葉にします。

「若手社員に参加してほしい」ではなく、
「若手が他部署の先輩の顔と名前を覚えて帰る」。
ここまで具体化すると、必要なコンテンツが自然に決まります。

顔と名前を覚えてほしいなら、名札が要ります。
席替えのタイミングも設計に入ります。
壇上からの一方通行なプログラムは減らすことになります。

成功をどう測るか

終わったあとに何を見て成否を判断するかを、先に決めておきます。

参加率、アンケートの満足度、当日の写真の枚数。
どれでも構いませんが、測れるものにしてください。
次回の企画が楽になります。

満足度を左右するのは、実は「参加率」

参加者が集まり賑わう社内イベントの会場

イベントの満足度を上げたいなら、
コンテンツを豪華にするより先に参加率を上げてください。

ここがいちばん効きます。

人が集まらない会は、何をやっても盛り上がらない

理由は単純です。
空間と人数が釣り合わないと、場が持たないからです。

30名を想定した会場に15名だと、空間が余ります。
人がまばらに散って、グループが小さく固まります。
声も響かないので、会場全体の一体感が生まれません。
司会が話しても、反応が薄く感じられます。

逆に人さえ集まれば、コンテンツが多少地味でも会は成立します。
歓談だけでも場は温まりますし、写真も賑やかになります。

企画に悩む時間の何割かを、参加率を上げることに回してください。
そのほうが満足度への跳ね返りは大きくなります。

出欠確認の取り方で参加率は変わる

出欠は「取り方」で結果が変わります。

避けたいのは、参加も不参加も同じ手間で答えられる形式です。
チャットで「参加する人はスタンプを押してください」と流すと、
押さなかった人が不参加として確定してしまいます。

全員が何らかの回答をする形にしてください。
参加・不参加・未定の3択にして、期限を切る。
未定の人には期限後にもう一度声をかける。
この一手間で、数人は参加に動きます。

名前が見える形で回答してもらうのも有効です。
誰が参加するかが分かると、「あの人が行くなら」という動機が生まれます。

会の重要度と期待を事前に高める

参加率を上げるのは、告知チャネルではありません。
この会に出る意味が伝わっているかどうかです。

「忘年会をやります」だけでは、参加の動機になりません。
何のための会で、誰が来て、何が起きるのか。
ここを事前に伝えておく必要があります。

やり方はいくつかあります。
社長や部門長から一言もらって告知に添える。
当日のプログラムを事前に共有する。
去年の写真を見せる。

どれも「この会はちゃんとした会だ」という認識をつくる作業です。
案内を一度出して終わりにせず、開催が近づいたら再度リマインドしてください。

出席率100%を目指すなら

全員に来てほしい会なら、日程を決める前に動きます。

主要メンバーの予定を先に押さえる。
繁忙期を避ける。
複数候補から選んでもらう。

日程が決まってから「空けてください」と言っても、埋まっている人は動けません。
日程調整の段階が、参加率を左右する最初の分岐点です。

コンテンツは「詰めない」のが正解

立食パーティーで料理を取る参加者

イベントの企画が固まってくると、あれもこれも入れたくなります。
その気持ちは分かりますが、詰めないでください。

盛り込みすぎたイベントは、記憶に残りません。

詰めたイベントが記憶に残らない理由

2時間の会に6つの企画を入れると、単純計算で1つあたり20分です。
ここから転換と説明の時間を引くと、実質15分しか残りません。
どの企画も中途半端に終わります。

そして進行に追われた会は、参加者にとって「忙しかった」という記憶になります。
何が印象的だったかを聞かれても、答えが出てきません。

企画は2つか3つに絞ってください。
残りの時間は歓談に回したほうが、結果的に満足度は上がります。

設計に入れ忘れやすい3つの時間

タイムテーブルを作るとき、抜けやすい時間があります。

食事とドリンクを取る時間です。
立食なら、料理が出てから最初の一巡までに20分ほどかかります。
この間にコンテンツを入れても、参加者は食べることに集中しています。
乾杯のあと20〜30分は、何も入れずに歓談に充ててください。

お手洗いと喫煙所への往復です。
会場に着いたら、まずこの2か所の位置を確認してください。
フロアが違う会場だと、往復に5分以上かかります。
長いコンテンツの前に、離席できるタイミングをつくっておきます。

集合写真の時間です。
ここは15分見ておいてください。
テーブルの移動、整列、カメラの調整。
想像以上に時間がかかります。
5分で終わると思って組むと、必ず押します。

押さない設計と、押したときの想定

タイムテーブルは2つ用意します。

ひとつは、押さないための設計です。
各コンテンツに余白を持たせ、転換の時間を必ず入れます。

もうひとつは、押したときの想定です。
どのコンテンツを削るか、どこを短縮するかを先に決めておきます。

当日に判断しようとすると、決めきれずに全部が押します。
「15分押したら、このコーナーは飛ばす」と決めておけば、
幹事チームが迷わず動けます。

フリータイムは再開時刻をアナウンスする

歓談の時間に入るとき、必ず再開時刻を伝えてください。

「では、しばらく歓談のお時間です」だけだと、
参加者は次に何が起きるか分かりません。
離席していいのかも判断できません。

「20時30分から表彰式を始めます。それまでご歓談ください」
このひと言で、進行が締まります。

スライドに再開時刻を表示しておくと、さらに確実です。
会場が広いと、アナウンスが届かない場所があります。
目で見える情報があると、参加者が自分で時計を見て戻ってきます。

当日回るかどうかは、運営体制で決まる

イベント受付で名札を受け取る参加者

「当日は臨機応変に対応しましょう」と書かれた記事をよく見ます。
ですが、臨機応変は準備ではありません。

事前に決めておくべきことが4つあります。

受付の動線で、スタートの遅れが決まる

会のスタートが遅れる原因のほとんどは受付です。

事前に動線を歩いて確認してください。
参加者が集合してから受付を通るまで、どこで詰まりそうか。
エレベーターの待ち時間、受付台の位置、列の伸びる方向。

受付は開宴30分前に開けます。
参加者は開宴ぎりぎりではなく、10〜15分前に集中するからです。
会費を集めるなら釣り銭を用意し、名札は五十音順か部署別に並べておきます。

印刷した進行表を、役割を持つ全員に配る

進行表は紙で配ってください。

当日、スマートフォンの画面を見る余裕はありません。
両手がふさがっていることもあります。
紙があると、幹事チーム全員が同じ時計を見て動けます。

配る相手は幹事だけではありません。
司会、乾杯の発声、スピーチ担当、受付担当。
役割を持つ人には全員渡します。

これだけで当日の会が引き締まります。

遅刻のイレギュラー対応を決めておく

遅刻は必ず出ます。
問題は、出たときに誰がどう動くかが決まっていないことです。

決めておくのは3つです。
受付に誰が残るか。
遅れて来た人の料理をどうするか。
開宴後に到着した人をどこに案内するか。

幹事チームで事前に共有しておけば、当日は誰かが自然に動きます。

当日のやりとりは、チャンネルを1つに決める

当日は変更や確認が次々に発生します。
そのやりとりをする場所を、1つに決めておいてください。

Slackでもチャットでも構いません。
大事なのは、幹事チーム全員が同じ場所を見ていることです。

個別のやりとりが増えると、情報が分散します。
「聞いていなかった」が起きるのはこのパターンです。

登壇者への依頼は「目的とタイムテーブル」から

進行表を手に時間を確認する登壇者

スピーチやコンテンツを担当してもらう人には、
依頼の段階で会の目的とタイムテーブルを渡してください。

「5分くらいで何か話してください」だけでは、
何を話せばいいのか相手も困ります。

何のための会で、その場面がどういう位置づけなのか。
前後に何があるのか。
ここが分かると、話す内容が決まります。

スピーチ担当には、練習してもらってください。
本番でいきなり話すと、必ず時間が伸びます。
一度声に出して測ってもらうだけで、当日の進行が安定します。

記憶に残すための設計

カメラマンが撮影する社内イベントの集合写真

カメラマンを呼ぶという選択

写真は、参加者が誰も撮っていないという事態が起きます。
幹事は進行で手一杯、参加者は歓談に夢中。
気づいたら、当日の写真が数枚しかない。

カメラマンを呼ぶと、この撮り忘れを防げます。
社内報や採用サイトに使うなら、なおさら検討する価値があります。

予算が取れない場合は、撮影担当を決めてください。
誰か1人に役割として渡すだけで、残る写真の枚数が変わります。

集合写真には小道具を用意する

集合写真は、小道具があると映えます。
横断幕、記念のボード、部署ごとの手持ちサイン。

何もないと全員が同じポーズになりますが、
持つものがあるだけで写真に動きが出ます。
15分という時間も、退屈しにくくなります。

二次会を先に押さえておく

二次会は、当日その場で決めると人数が読めず、店も見つかりません。

事前に手配しておくと、この混乱がなくなります。
一次会の途中で人数を把握し、幹事の1人が連絡を入れる。
この段取りだけ決めておけば十分です。

そして会場を選ぶとき、二次会との距離も見ておいてください。
移動が長いと、そこで人が抜けます。

イベント企画のタイムライン

イベント準備のスケジュールを書き込む様子

イベント企画の準備の全体像です。
規模によって前後しますが、100名規模ならこの目安で動きます。

時期

やること

3か月前

目的の確定。日程調整を開始(主要メンバーの予定を先に押さえる)

2か月前

会場の仮押さえ。コンテンツの大枠を決める

1.5か月前

告知と出欠確認の開始。登壇者へ依頼

1か月前

出欠の締切。タイムテーブルの確定

2週間前

進行表の作成。遅刻対応と連絡手段を幹事チームで共有

1週間前

会場の下見(受付動線、お手洗い、喫煙所の確認)。スピーチ練習

前日

進行表の印刷。備品の最終確認

当日

開宴60分前に会場入り。投影テスト。30分前に受付開始

後日

写真の共有。振り返りと次回への申し送り

会場の利用時間にも注意してください。
利用時間が2時間なら、実質の企画時間は90分ほどです。
前後の転換、搬入と撤収に30分は取られます。

会場を押さえるときは、
利用時間と入室可能時刻をセットで確認してください。
「何時から入れるか」を聞き忘れると、準備の時間が足りなくなります。

イベント企画に関するよくある質問

PCでイベントの振り返りを記録する様子

Q. 企画は何個入れればいい?

2時間の会なら2〜3個が目安です。
4個以上入れると、1つあたりの時間が足りなくなります。

Q. 参加率が低いときはどうすればいい?

日程調整の段階に戻れるなら、そこを見直すのがいちばん効きます。
日程が動かせないなら、会の目的と当日のプログラムを改めて共有してください。
「何が起きる会なのか」が分かると、参加の判断が変わります。

Q. 歓談の時間はどれくらい取る?

2時間の会なら、合計50〜60分は確保したいところです。
乾杯後の20〜30分と、後半の20〜30分に分けて配置するのが一般的です。

Q. 進行表は何を書けばいい?

時刻、内容、担当者、次の担当者への合図。
この4つがあれば当日は回ります。
所要時間ではなく、開始時刻で書くのがポイントです。

Q. 幹事は何人必要?

50名までなら2名、100名を超えるなら3〜4名が目安です。
受付に2名、進行に1名、会場との連絡に1名という配分になります。

Q. 振り返りは何をすればいい?

参加率、当日の進行で押した箇所、参加者から出た声。
この3つを記録して残してください。
次回の幹事が同じ失敗をせずに済みます。

まとめ|イベント企画で押さえる3つ

あらためて、イベント企画の考え方で押さえるのは3つです。

参加率。
コンテンツを豪華にするより、人を集めるほうが満足度に効きます。

時間の余白。
企画は2〜3個に絞り、食事・離席・写真の時間を設計に入れてください。

運営体制。
受付動線、進行表、遅刻対応、連絡手段。
この4つを事前に決めておけば、当日は臨機応変に動けます。

企画書を作ることがゴールではありません。
そのイベントが当日ちゃんと回るかどうかを、一度確認してみてください。

会場探しから当日の手配まで、まるごと任せることもできます。

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